「調整項目(非現金・期間ズレ)」とは何ですか?
カテゴリ: 調整項目(非現金・期間ズレ)
結論
「調整項目(非現金・期間ズレ)」とは、利益(P/L)には出てくるのに、同じタイミングで現金が動かない(または遅れて動く)要因のことです。
初心者向けに言い換えると、
- 利益=成績表
- 現金=財布 この2つがズレる理由を説明するための「ズレのメモ」が調整項目です。
スタークボードでは、会計処理を否定するのではなく、現金の理由を説明するために、ズレの原因を“調整”として言葉にすることを重視します。
なぜ「調整」が必要なのか
初心者が最も混乱するのは次の状況です。
- 黒字なのに現金が増えない
- 利益は少ないのに現金が増えている
- 投資をしたわけでもないのに現金が減っている
このとき、「利益が間違っている」のではありません。多くの場合、
- 現金が別の形(売掛・在庫など)になっている
- 現金の出入りの時期がズレている
- 現金を伴わない“見積り”が利益に入っている といった理由でズレが起きます。
このズレを説明する言葉が「調整項目」です。
調整項目の代表例(初心者が迷いやすい順)
1) 非現金(いま財布が動かない)
- 減価償却費:設備の価値を少しずつ費用にするが、支払いは過去に済んでいる
- 引当金の増減(例:貸倒引当金など):将来の損失を見積もって利益に反映するが、いま現金は出ない
- 退職給付に係る費用/負債の増減:将来の退職金を見積もる。現金の支払いは将来
2) 期間ズレ(財布は動くが、時期がずれる)
- 売掛金・未収入金:売上は立っているが、入金がまだ
- 買掛金・未払金・未払費用:費用は発生しているが、支払いがまだ
- 前受金(契約負債)・前払費用:現金が先に動き、利益や費用の計上は後になる
3) 評価・税金など(ルール上の調整)
- 棚卸資産の評価(評価損など):価値の見積り変化が利益に出る
- 繰延税金資産/負債:税金のタイミングのズレを会計上で整理する
スタークボードでの基本スタンス(重要)
調整項目は「消す」ものではありません。
- 会計上は必要な処理として尊重する
- ただし、現金の理由を説明するときは、 「いま財布が動かない」「時期がずれている」要因として別枠で整理する
この順番にすると、初心者でも「利益が正しいのに現金が違う」理由が理解できます。
よくある誤解
- 誤解1:調整項目=重要ではない → 重要です。将来の支払義務(退職給付など)を見落とすと危険です。
- 誤解2:調整項目を相殺して“なかったことにする” → 正確には「なかったこと」ではなく、**現金の説明のために“見え方を整理する”**という意味です。
まとめ
調整項目(非現金・期間ズレ)とは、 利益(成績表)と現金(財布)がズレる理由を説明するための整理項目です。 この考え方が入ると、黒字でも資金繰りが苦しい理由、投資判断のタイミング、借入の必要性などを、落ち着いて説明できるようになります。