矢印・自走力・到達時間・感応度は、それぞれ何を教えてくれますか?
カテゴリ: スタークコンパス(成長航路図)
決算書を2期以上登録すると、コンパスは「位置」だけでなく**「動き」**を語り始めます。ここがこの道具の本領です。
矢印(進行方位)
前期から今期への移動を8方位で示します。
- 北東: 蓄積も残存も改善。理想の進路
- 北: 蓄えは増えたが、残存は横ばい
- 北西: 蓄えは増えたが借入依存も増えた(借入で成長中。悪ではないが注視)
- 南西: 両方悪化。最も警戒すべき方位
自走力
**「借入を返しながら、なお蓄えが増えるか」**を1つの数字にしたものです。
- 自走力 = 蓄積の増加ペース − 返済の負担
- プラス: 自力で進める船。現状の延長で改善していきます
- マイナス(沈降): 何もしなければ状況が悪化します。返済が稼ぎを食っている状態
到達時間(TTB)
今の速度ベクトルのまま進んだ場合、次の海域の境界まで何年かを示します。「このままなら約2.3年で大航海域に到達」のように読みます。改善方向なら希望の時間割、悪化方向なら残された猶予です。速度が境界から遠ざかる向きなら「到達しない」と表示されます。
感応度(What-if)
「どのレバーを引けば座標がどれだけ動くか」の試算です。各科目の残高を10%動かした場合の効果を比較します。
- 在庫を10%減らす / 売掛金を10%早く回収する / 固定資産を10%圧縮する / 利益を積んで蓄えを10%増やす
- 効果は会社ごとに全く違います。 在庫の山を抱えた会社では在庫レバーが、設備過剰の会社では固定資産レバーが大きく効きます。科目残高がゼロならそのレバーの効果もゼロです
使い方の型
**位置(海域)→ 方位(矢印)→ 速度(自走力・到達時間)→ 舵(感応度)**の順に読むと、「今どこで、どちらへ流されていて、あと何年で、どの舵を切るべきか」が1枚で決まります。経営会議の冒頭5分に向いた道具です。